米大手金融2社、比のBPO事業拡大へ

 米証券大手の破たんで新興国への投資縮小が懸念される中、フィリピンではビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業は活況が続きそうだ。米投資銀行大手JPモルガン・チェースと保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、当地でのBPO事業を引き続き拡大する意向を示している。JPモルガンは5年内に従業員を2万4,000人まで増員し、AIGは年内に新たに1,700人雇用するという。予想されている景気減速の食い止めに期待が掛かる。

 24日付地元各紙が報じた。JPモルガンは23日、首都圏タギッグ市フォート・ボニファシオ・グローバル・シティー新たなコールセンターを開設した。席数は1万4,050席。新拠点の開設は、同社が計画するサポートスタッフの大幅増員の一環で、向こう5年をかけて従業員を2万4,000人に増やす予定だ。現在の従業員数は1,300人で、年内に2,000人を雇用する予定。
 
 カード・サービス事業を統括するマイケル・ルーニー氏によると、フィリピンのコールセンターでは約5,000万人の米国顧客を対象にクレジットカード、自動車金融、支払請求業務などを手掛ける。
 
 同社は2003年にマカティ市フィラムライフ・タワー内に初の拠点を設けた。現在の席数は900席。
 
 ルーニー氏は「世界的な金融不安の圧力は感じていない。クレジットカード事業は支払いの延滞など焦げ付きの危険性が付きものだが、こうしたリスクもコントロールできる」と述べ、金融危機を乗り越えられるとの自信をみせている。
 
 AIGのカスタマーサービス関連業務を手掛けるAIG−ビジネス・プロセス・サービス(BPSI)も、フィリピン事業をさらに拡大する考えだ。このほど同社3カ所目となるサポート拠点がモンテンルパ市で完成した。年内にも営業を開始し、新たに1,700人を雇用する予定。現在の従業員数1,200人から2倍以上大幅に増やす計画だ。
 
 同社のクリス・ウェッブ最高経営責任者(CEO)によると、将来的な需要の増加を見越してサービス拠点の増設を決めた。今後は通常のコールセンター業務に加え、ナレッジ・プロセス・アウトソーシング(KPO)事業も視野に入れているようだ。
 
 また、アヤラ・グループが開発を進めるダバオ市のBPO複合施設(総床面積2万平方メートル)でも、米国の関連企業が拠点設置を検討しているもよう。商業施設の開発・運営などを手掛けるアヤラ・モールズ・グループのマリビック・アニョヌエボ上級副社長によると、総額23億ペソを投じ、コールセンター向け施設(5階建て)を建設する。来年の着工、2012年の完工を目指している。
 
 ただ、同副社長は外資系を中心にBPO企業を呼び込みたいとしているが、近隣地域の治安悪化を理由に各国の大使館が渡航勧告などを出していることで、進出を懸念する企業も多いようだ。
2008/9/25 NNA
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