イネの新品種開発などに取り組むフィリピン・ラグナ州の国際稲研究所(IRRI)が、遺伝子工学を利用してイネの光合成の効率を高め、コメの増産を目指す研究を本格化させた。成功すれば収穫量が5割以上増える見通し。IRRIは「発展途上国の人口増加で深刻な食料不足が危惧される。複雑な研究だが、成果を挙げたい」としている。
IRRIによると、トウモロコシなどの光合成は「C4」と呼ばれるタイプで、イネや麦の光合成「C3」に比べて光合成速度が約1・5倍と効率がいい。遺伝子を操作してイネがC4の光合成能力を持つよう改良、コメ収穫量も1・5倍にしたい考えだ。C4の作物は乾燥にも強いという。
東京大の大杉立教授(作物生理学)によると、C4イネの開発は研究者の注目を集めてきたが、光合成は遺伝子レベルで未解明の部分が多く、これまでの研究で成功例はない。同教授は「長期間の作業となることが予想されるが、挑戦する意義は大きい」としている。
2009/1/17 共同通信

